生理検査
心電図・超音波など患者様の身体を直接調べる検査を一般に生理検査(生理機能検査)と言い、身体の構造や機能に関する生体情報を収集・解析し、患者様の状態を調べる検査のことです。基本的には無侵襲な(身体に傷をつけたりはしない)検査を行っています。
当院で実施している生理検査は次の項目で、臨床検査技師が測定いたします。
- 超音波(腹部、心臓、表在、血管など)
- 心電図
- 血圧脈波検査
- 呼吸機能
超音波検査(エコー検査)
人の耳では聞くことの出来ない周波数の高い音(20,000ヘルツ以上)を超音波といいます。この超音波を体の外側から当てて、はね返ってきた反射波を映像化し、臓器の大きさや病態の有無を観察していきます。また、止まっているものだけでなく、動いているものや血液の流れなども観察することができます。
- 腹部超音波検査では、主に肝臓、胆のう、すい臓、牌臓、腎臓が対象です。
主に腫瘍・ポリープ・炎症・結石などを発見することができます。
絶食の状態で行います(食後では消化管に空気が発生し、見えにくくなるためです。)
検査時間は15~20分くらいです。 - 心臓超音波検査では、心臓が対象です。
胸に超音波をあてて、いろいろな角度から心臓の動きを見たり、大きさを測ったり、血液の流れを調べたりすることで現在の心臓の機能がどれくらい保たれているかを調べる検査です。
検査時間は20~30分くらいです。 - 体表超音波検査では、乳腺、甲状腺、体表面が対象です。
乳腺:良性・悪性の腫瘤をエコーで検索する検査です。左右の乳房全体と腋窩(脇の下)まで検査しますので、上半身は服を脱いで頂くようになります。
検査時間は20~30分くらいです。
甲状腺:甲状腺の病気の診断として、血液検査とともに第―選択肢になる事の多い検査です。検査は、首にゼリーを塗りプローブ(探触子)を軽くあて、甲状腺の大きさや腫瘤(嚢胞や結節)の有無などの評価を行います。首回りが出しやすい服装で来院ください。
検査時間は15~20分くらいです。 - 血管超音波検査では、首の左右にある頚動脈(血管)や足の動脈・静脈が対象です。
頚動脈:動脈硬化の程度評価や、めまいの原因検索の為に行います。
頸動脈の壁の厚さや血液の流れる速さを計測したり、血管狭窄がないかを観察する検査です。首回りが出しやすい服装で来院ください。
検査時間は15~20分くらいです。
- 下肢動脈検査:足の付け根~足先にかけての動脈を超音波で観察する検査です。
動脈硬化が進行し、血管が細くなると血流が悪くなり、歩行時に下肢のしびれなどの症状が現れます(閉塞性動脈硬化症)。
超音波で足先まで血流が保たれているかを観察します。検査では靴下・ズボンなどは脱いで、仰向けで行います。状態によってはうつ伏せになります。
検査時間は30~60分くらいです。 - 下肢静脈検査:足の付け根~足首にかけて静脈を超音波で観察する検査です。
血管がボコボコと浮き出る静脈瘤や、静脈の中に血栓ができる深部静脈血栓症などを疑う場合に検査します。検査は足の付け根から足首まで観察します。
検査時間は30~60分くらいです。
心電図
心臓が拍動する時に生じる電気信号をキャッチし、心電計を通して波形として記録します。脈の乱れ(不整脈)や胸の痛み、動悸などの症状の診断のために行う検査です。また、手術を受ける前や、健康診断でも行われています。短時間で多くの情報を得ることができ、痛みや体への影響もありません。
検査時間は5~10分くらいです。
- ホルター心電図検査
小型の記録機で24時間の心電図を記録します。日常生活の中でどのような不整脈が出ているか、また胸が痛い時に心電図の変化がどうかを調べることができます。
検査中は主な行動(就寝、起床、食事、トイレ、仕事、症状など)を記録(メモ)していただきます。
検査時間は機器の装着・説明に15分くらいです。
血圧脈波検査
足首と上腕の血圧を測定して、動脈硬化や下肢動脈の狭窄の有無を調べます。
検査時間は10分くらいです。
- 動脈の硬さの程度(CAVI)
動脈硬化が進んでいるほど、「CAVI」の数値は高くなります。 - 動脈の詰まりの程度(ABI)
足首と上腕の血圧の比をみています。
測定値が0.9未満であると詰まっている可能性が高くなります。
呼吸機能検査
息を吸ったり吐いたりして、肺から出入りする空気の量や、息を吐く速度および肺内のガス濃度を測定することにより、肺の機能を調べる検査です。
呼吸器疾患の有無や治療効果の判定、手術前の肺機能の評価等を目的としています。
この検査は最大限に努力した状態をみますので、何回か同じ検査を行っていただくことがあります。
検査時間は20~30分くらいです。(測定項目によって異なります。)